大判例

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東京高等裁判所 昭和36年(ネ)166号 判決

ところで本件のように抵当権設定契約と共になされた代物弁済契約は特段の事由のないかぎり代物弁済の予約と解すべく、この場合において抵当権を実行するか、代物弁済予約を完結させるかは債権者の選択に任されているものと解すべきところ、当審証人小泉ひさの証言によれば、被控訴人において昭和三二年八月末日ころ控訴人ら先代義治にたいし、本件債務の一部支払いに代えて代物弁済として本件家屋の所有権を取得する旨の意思表示をなしたことを認めることができ、原審証人城戸トクの証言中みぎ認定に反する部分はみぎ小泉証人の証言にてらし信用せず、他にこの認定をうごかすにたりる証拠はないから、これにより被控訴人はおそくとも同年九月一日には本件建物の所有権を取得したものというべく、みぎ義治は被控訴人にたいし、昭和三一年七月三〇日付停止条件付代物弁済契約による所有権移転登記手続をなすと共に本件家屋をあけわたす義務あるものというべく、みぎあけわたし義務不履行により被控訴人にたいし特段の事情のないかぎり、相当賃料額たることに当事者間に争いのない一ケ月金一、三八四円の割合による損害をこおむらしめているものといわねばならない。

(牧野 満田 渡辺卓)

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